銀行員の給料は本当に高いのか?

金融
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銀行を取り巻く環境は厳しい状況が続いていますが、

銀行員の給料は昔から高いといわれていますが、世の中的に本当にそうなのでしょうか。

これからの銀行員の給料はどうなっていくのかを解説してみたいと思います。

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ベースアップ廃止に動く銀行界

業界大手が動いた

先日、日経新聞等で、業界トップの三菱UFJ銀行の給与に関する報道がありました。

次の春闘で、これまでの基本給を一律にあげるベースアップの交渉をやめて、行員の成果を重視

これからは、一人一人の報酬を決める新たな仕組みの導入を労使間で交渉していく、という記事でした。

優秀な人材を確保するため、より成果に報いる仕組みが必要だと経営も考えてとのことです。

つまり、みんな同じように基本給があがるのではなく、頑張った人をちゃんと評価してそれなりに給料をあげますよ、ということなんですね。

あれ?あたりまえじゃない?(という心の疑問)

銀行に限らず、日本の企業は終身雇用、年功序列が染みついてきたわけですが、ようやくここに来て実力主義みたいな動きが現実化してきたわけです。

こうした業界大手行の動きは、他行の動きにも少なからず影響を与えることになるでしょう。

評価に対する関心

これまでも「実力主義」のようなものは言われてきました。銀行界でも成果主義と銘打って、給与に差をつけるような動きはありました。

それでもうまくいかなかったと思います。

うまくいかなかった理由は、

  1. 評価者(上司)の評価スキルが低い
  2. 中途採用が少なく、年功序列意識が強い
  3. 人事部側の一方的な制度設計で周りがついていけない

といったことが挙げられると思います。

これではうまくいかないのは目に見えています。

評価スキルに変化の兆し

ただ、最近では変化がみられています。

評価スキルについて、いまの部長、課長は自分が評価される時代に、まだ評価スキルが未熟な上司の下で評価されてきました。

一部の人は満足な評価を得ていたかもしれませんが、ちょうど新人事制度導入が流行った10~15年くらい前から、正直不満だらけで評価されつづけてきた経験を持っています。

一方で、評価者研修自体のクオリティが上がり、今度は自身が評価する立場になって、自分の経験を踏まえて部下を評価するという体制になってきていると思います。

つまり、評価する側も評価される側もある意味フェアに評価できることになってきていると思います。

中途採用者が増えることの影響

昨今の銀行は中途採用者が増え続けています

終身雇用の前提がそもそもありません。そうした人たちを評価するには、パフォーマンスに応じたフェアな評価ができないといけません。

新卒で入った行員と、中途で入ってきた行員をいかにフェアに評価するか。

評価者側にとっても、自分の経験だけではなく、一定程度の共通の物差しで評価しなくてはならなくなりました。

銀行が評価制度を提供できるか

人事部も自分たちで考えた人事制度を押し付けるのではなく、評価する側、評価される側の両方の意見を取り入れながら、かつ外部コンサルティング会社の意見も取り入れて検討する流れが一般的となりつつあります。

つまり、納得感のある制度設計・評価体系を意識してきているということです。

こうした環境の中では、経営と現場がうまく会話ができれば、成果主義に基づいた報酬体系を構築できる可能性は十分あると思います。少なくとも10年前、20年前とは大きく環境が異なっています。

それでも複雑な給与体系や評価体系にしてしまうと、評価者の負担が増えることは認識してもらいたいですね。

銀行員の給料は本当に高いのか?

大手は給料はよいの?

銀行の給料は高いんでしょ?と思われている方は多いと思います。

全国平均年収ランキング(2019ダイアモンド・オンライン)

1位 三井住友トラストHD 1,303.7万円

2位 三井住友フィナンシャルG 1,155.1万円

3位 第四北越フィナンシャルG 1,108.1万円

トップ3はこんな感じでした。

うーん、よくわからない。。。

でも、これは完全にミスリードしますね。

銀行員はみんな1,000万円もらっているんだ!みたいなイメージになります。

銀行員の本当の平均的な給与水準

他の人材会社の調べだと、平均では400~700万円、とあります。

実態としてはまさにこの水準でしょう。

たしかに一般企業のお勤めの方よりは少しは高いですが、みんなが1,000万円以上をもらっているわけではありません。

40歳を過ぎ、部長職・支店長職になると1,000~1,500万円のレンジに入ってくるのが実態だと思いますが、そのような役職に就ける人材はごく一部であることは言うまでもありません。

大半は出向や転籍となり、最後まで銀行に入れる人も極めて少ないのです。

ちなみに海外に目を向けると、日本の銀行より、海外の銀行、特に最近では経済成長が著しいアジア地域の金融機関のほうがずっと高い給料をもらえている場合が増えているようです。

銀行員の給料はあがるのか?!

さて日本の銀行業界に目を向けると、いまのままでは今後の大きな拡大は残念ながら見込めません

したがって、各金融機関が知恵を振り絞って生き残る策を模索することとなります。

そのような厳しい経営環境の中、すべての従業員の給料アップも大きな期待はできないでしょう。

ただし、成果主義や実力主義がうまく機能している銀行においては、成果に対してメリハリの利いた賞与や昇給・昇格の運用となり、給与アップも期待できると思います。

ただ漫然と前の人同じことをしている従来型の人の給与アップは望めないどころか、給与ダウンの対象となりますね。

これは一般企業も同じことでしょう。

今後、異業種から銀行に転職する人は、給与面では相当な覚悟を持っていく必要があると思います。もちろん給与だけではなく、働き甲斐という要素も忘れてはいけませんが。

そして、そういう期待にしっかり応えてくれる職場を自分から選ぶくらいのつもりで良いかもしれませんね。

まとめ

銀行員の給与は日本の中では平均以上であるものの、世界を見た場合はそれほど高給ではなく、また今後大幅な給与アップは期待しずらい環境となっていると思います。

しっかり実績を上げて、または高い専門性を磨き続けることができる人は安定的に昇給の道を確保できるかもしれません。

会社に頼らず、自分の腕が試される時代が本格的に到来してくるということですね。

自分の動きが評価されないときは、職場を変える、つまり転職も選択肢として大いに検討する価値はあると思います。

自身の市場価値をいかに高めていけるかが、転職だけでなく、転職しない場合も結果的に社内での昇給につながるのではないでしょうか。

では、また。

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プロフィール

この記事を書いた人
Terry

新規事業企画担当として日々奮闘。日本の金融業界の動きや世界の金融の潮流、銀行員お役立ち情報などを発信しています。

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