生き残る銀行員に必要なもの

金融
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従前は銀行員とは優秀(そう)であり、数字に強く、相対的に人材の市場価値が高いイメージがありましたが、いま現在はどのような評価を受けているのでしょうか。

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銀行員とは本当に優秀なのか

まもなく定年を迎える世代とそれより上の世代は間違いなくほとんどの銀行員が優秀だったと思います。そうした世代の先輩と仕事をする機会や話をする機会のたびに、実感します。すべての人に当てはまるわけではないですが、たいていの人たちは理解度は早く、好奇心旺盛、洞察力や観察力、調査力、判断力、などなど、尊敬する部分が多く、実際にも尊敬する先輩は数多くいます。

その次の1980年台後半から90年台前半のバブル入社世代は2極化してます。ものすごく優秀な人と、バブルの波に乗って金融マンになった人。後者の人たちは残念ながら「普通」の銀行員生活で終わるひとが多い印象です。

1990年台後半から2000年台前半。バブルがはじけ、山一証券の破綻、北海道拓殖銀行の破綻、長銀や日債銀の破綻・国有化など、荒れに荒れ、日本の金融業界は不良債権問題一色の時代でした。この時代、筆者が銀行に入行した時代です。新卒採用は限りなく減らされており、銀行によっては新規採用ゼロのところもありました。この時代に銀行に入った人は、あえて荒波に飛び込むチャレンジ精神旺盛な人間か、完全に時代のトレンドを見誤っている人か(笑)、のどちらかでしょう。このあたりから、「銀行員の多様化」が強まってきている印象です。

銀行員の多様化とは

多様化を強める決定的な材料は、中途採用でしょう。

それまで銀行は新卒の学生を採用し、ゼロから新人教育をして、同じプログラムで研修を受けさせ、現場でOJTを通じて成長させる。というのが定番でした。

しかしながら、新卒採用ゼロもしくは少人数の年次が出てくると、年次ピラミッドが崩れているので、中途採用で穴埋めをしなければならなくなりました。

2000年前半頃の中途採用は、例えば、地方銀行員がステップアップのために都市銀行(いまでいうメガバンク)に転職するケースや、保険会社や証券会社など他の金融業態から銀行に転職するケースが一般的でした。

その後、2000年台後半、特に2008年のリーマンショック後は、一般事業会社から銀行に転職する人材も見られるようになりました。

金融以外から銀行員になることは、前向きにとらえれば、その銀行に新しい風を吹き込んでくれる貴重な存在であります。一方、銀行からしてみれば、これまで新卒から鍛えることを前提にしてきた人事プログラムが通用しなくなり、中途採用向けの対応をしていかなくてはならない、ということになりました。

当然、銀行から他の一般事業会社へ転職する事例も増えています。

そして、昨今は銀行業界全体が衰退産業である、フィンテック企業の台頭により、伝統的な銀行は生き残れない、という見方から、銀行を辞める人が増えているのも事実です。

入ってくる人、出ていく人、まさに人材の流動化が活発化してきているのが、いまの銀行業界でしょう。

 

生き残れる銀行員

「生き残れる」とは、「銀行で生き残る」、もしくは「社会で生き残こる」、どちらが銀行員にとって大事なのでしょうか。

昔は明らかに前者。

今は明らかに後者。

いまでも前者のことしか考えていない銀行員がいたら、おそらく役職定年後には生き残れない、もしくは出向で外に出されても、出向先では評価されない、なんてことになるかもしれません。

もはや銀行の中だけで生き残ることを考えていてはダメな時代だと思います。

社会で生き残る銀行員とは

いまは、フィンテックやデジタルトランスレーションなど、銀行自身が変わらなければならない時代になっています。外の情報やリソースを活用して新しいサービスを創造しなければ銀行自体が生き残れないでしょう。

そのためには、銀行員が外を見て自らの業務に役立てる目線を養う必要があると思っています。その結果、社会で生き残る銀行員が誕生するのだと思います。

昔の銀行員は役員の顔色を見る、となりの部門との調整に命を懸ける、等社内政治や調整ができる人材が重宝されていました。

いまは社外の人と一緒に仕事ができる人材が重宝される(というか必要である)時代が到来しました。(こんなの一般事業会社では当たり前なのですが)

その際にこれからの銀行員に必要なナレッジは何でしょうか?

生き残る銀行員に必要なものは?

社外の人とのリレーションや情報を得る中で、これからの銀行員に必ず必要なナレッジはずばりIT分野です。

私は半年前にとっても基本的な資格であるITパスポートを取得しましたが、ITパスポートの内容さえ全く理解できない銀行員も少なくないと思います。おそらく銀行以外の人たちには驚きなのではないでしょうか。

これから生き残れる銀行員は、従来の財務・法律・企業分析などの銀行員が得意とする 分野に加えて、ITの基本的事項を理解し、社外の人たちと共同でプロジェクトを推進できるようなノウハウ・経験を持つ人材が必要になってくるのは間違いないと思います。

〇〇×金融=◇◇ のような絵を描ける人材を一人でも多く抱える銀行は生き残り、そこで活躍する人材は、銀行でも銀行の外でも十分に活躍できる、生き残れるのだろうと思います。

こうした思いから、IT関連の勉強を続けるのと同時に、社外の人とのコミュニティにも積極参加して、自らの視野を広げていこうと日々思っています。

すべての銀行員に賛同はしてもらえないかもしれませんが、ご参考まで。では。

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プロフィール

この記事を書いた人
Terry

新規事業企画担当として日々奮闘。日本の金融業界の動きや世界の金融の潮流、銀行員お役立ち情報などを発信しています。

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